多彩な地域特有の生物、文化・風土 1980年、日本で最初にユネスコエコパークに登録された地域の一つが志賀高原（山ノ内町・高山村、群馬県の2町1村）。特にスノーリゾートとしての志賀高原は、JapanとPowderを組み合わせた「Japow」（ジャパウ）を象徴するエリア。アイスバーンに慣れた欧米のスキーヤー・スノーボーダーは、このサラサラのパウダースノーのJapowを目指してやって来る。また、山岳エリアならではの多彩な動植物が生息する生態系は国内外の生物研究者には以前から知られていたが、最近では、そんな豊かな自然を生かしたトレッキングツアーを多数設けて、グリーンシーズンのアクティビティとして人気を集めている。 南アルプスは長野県（飯田市・伊那市・富士見町・大鹿村）と山梨県、静岡県の10市町村にまたがり、「高い山、深い谷が育む生物と文化の多様性」を理念に掲げる。ライチョウなど高山帯ならではの動植物の固有種のほか、仙丈ケ岳（伊那市）や入笠湿原（富士見町）の自然、伝統芸能の「霜月祭」（飯田市）や「大鹿歌舞伎」（大鹿村）、山地斜面に広がる集落「下栗の里」（飯田市）などの独自の風土が注目されている。

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  下栗の里
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  入笠湿原
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  霜月祭
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  大鹿歌舞伎

エコでしっかり存在感 小さな村も元気に世界に発信 甲武信地域では、川上村が長野県で唯一含まれる。日本一長い川の千曲川（信濃川）の源流地点があるのは意外に知られていない。大河の最初の一滴に触れて、悠久の流れに思いを馳せてみてはいかがだろう。また、日本一の生産量を誇るレタスなど、豊富な高原野菜は水や空気、太陽の恵みが育む大地からの贈り物だ。 ユネスコジオパークは、地形や地質とその地域で育まれた歴史文化との共生を目指すもの。長野県内唯一の認定地・栄村は、新潟県との境に位置する苗場山麓ジオパークの一員だ。長い布を何枚もたらしたように見える「布岩山の柱状節理」や、多雪地帯特有の造りの民家「阿部家」、「栄村歴史文化館こらっせ」などで、自然と文化の共生を体感できる。