名水のまちの座に君臨する安曇野＆松本 安曇野を流れる北アルプスの水は真夏でも水温が15度を超えることはなく、冷たくて清涼。日量70万トンを誇る一大湧水群となって、県内有数の米どころとして有名な安曇野の田んぼを潤す。大正時代にはわさびの栽培に利用されるようになり、上質なわさびの栽培地にした。安曇野の水風景は国交省の「水の郷」に認められ、「安曇野わさび田湧水群」は、環境省が「名水百選」に認めたほか、国民投票による「観光地として素晴らしい名水部門」では輝く！トップ１に。優美な水のある風景を作り出している「延命水」や、碌山美術館にある「杜江の水」など、ちょっと足を伸ばしてみたい水の名所も点在する。最近では、信州サーモンやニジマスの養殖にも利用され、海なし長野県に大きな恵みを与えている

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  安曇野わさび田湧水群
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  延命水

松本市内では、北アルプスなどからの雪解け水が女鳥羽川や薄川へと流れ込み、その伏流水が湧き出す井戸がまちのあちこちにある。松本城はじめ、神社・寺院、民家の一角、にぎやかなまち通り…、いたるところに水汲み場や汲み上げるポンプがあり、地元の人が利用する姿を見かける。水質は環境省の「名水百選」のお墨付き。地元企業や飲食店も市内の湧水を使ったミネラルウォーターやクラフトビール、お菓子など数々の名産品を生みだし、豊かな水を上手く暮らしに溶け込ませている。井戸などを巡るコースもあるので、マイボトルを手に歩いてみてほしい。「観光地として素晴らしい名水部門」では第３位だ。 えっ⁉こんなことにも！ きれいな水をアートな作品に AW・ミネラルウォーターや、「サントリー天然水」でお馴染みのサントリーなど、きれいな水に惚れ込んでボトルドウォーターを製造する企業の進出が相次ぐのが大町市。地元の３つの老舗酒蔵は酒造りに欠かせないきれいな水で銘酒を長年造っており、クラフトビールやワインでの需要も増えている。仁科三湖（青木湖・木崎湖・中綱湖）でのアクティビティや、水をテーマにしたアート作品が北アルプス国際芸術祭で披露されるなど、北アルプスの水とともにあるまちだ。市街地の中央を南北に割って走る通りの東西で、水源が異なり、東側が「女水」、西側は北アルプスの湧水の「男水」と呼ばれ、飲み比べてみると面白い。

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  男清水
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  女清水

南信州にまつわる水の話をひとつご紹介。江戸時代の茶道家が茶の湯に適した水を探したところ、今の飯田市の北西にある風越山の伏流水が流れ込む天竜川にたどり着いたとか。その源泉が「猿庫（さるくら）の泉」として残り、今も野点が行われている。名水百選にも指定。