10の国宝がNAGANOに 1952（昭和25）年に「文化財保護法」が制定された２年後、新保護法の元、4つの文化財が国宝に指定された。それから67年経った2019（令和元）年、長野県に10番目の国宝のニュースが届いた。近代学校建築では全国の中でも初の国宝指定の旧開智学校校舎。現在は耐震対策工事のため、令和６年秋ごろまで休館しているが、再開が待ち遠しい。 旧開智学校校舎 ［近代学校建築・令和元年］ 1876（明治9）年建築。文明開化の時代を象徴する和風の伝統技術を用い、洋風に仕上げた建築「擬洋風建築」の代表格。2019（令和元）年に国宝指定予定。 松本城天守 ［城郭建築・昭和27年（国宝保存法では昭和11年に指定）］ 現存最古の五重六階の木造天守。戦国時代末期の築城で、大天守と渡櫓、乾小天守には鉄砲や矢を射る狭間と呼ばれる小窓がある。1952（昭和27）年に国宝に指定。 安楽寺八角三重塔 ［塔建築・昭和27年］ 日本で唯一、最古の八角三重塔。屋根は四層になっているが、裳階（もこし）付き三重塔といわれ、一番下の屋根は庇の役割。1952（昭和27）年に国宝に指定。 白楽茶碗 銘 不二山 ［陶芸品・昭和27年］ 本阿弥光悦作の茶碗。うつわの上が白く下が黒いことから雪を頂く富士山を連想し、銘が付けられた。1952（昭和27）年に国宝に指定。サンリツ服部美術館が所蔵する。 紙本墨画 寒山図 ［絵画・昭和27年］ 南北朝時代に活躍した画家、可翁による日本初期水墨画の傑作。1952（昭和27）年に国宝に指定。サンリツ服部美術館が所蔵する。 善光寺本堂 ［寺院建築・昭和28年］ 本堂は金堂、如来堂とも呼ばれ、国宝建造物としては東大寺、三十三間堂、知恩院御影堂に次ぐ大きさを誇る。1953（昭和28）年に国宝に指定。 大法寺三重塔 ［塔建築・昭和28年］ 羽を広げた鶴のように優美な三重塔。造営は鎌倉から南北朝時代の1333（正慶2）年。初重が大きく、三層のバランスが美しい。1953（昭和28）年に国宝に指定。 仁科神明宮 ［寺社建築・昭和28年］ 伊勢神宮に代表される神明造の建築物では唯一の国宝。造営は江戸時代初期とされ日本最古の神明造の様式を伝える仁科神明宮。現在の建物は江戸時代はじめのもので、本殿、中門、釣屋が1953（昭和28）年に国宝に指定。2019（令和元年）年11月15日から17日にかけて、20年に一度の式年遷宮祭が行われる。 縄文のビーナス ［考古資料・平成7年］ わが国初の縄文時代の国宝土偶。1986（昭和61）年に棚畑遺跡の中央広場の小さな穴から完全な形で出土した。1995（平成7）年に国宝に指定。 仮面の女神 ［考古資料・平成26年］ 約4000年前の縄文後期前半に作られたものとされる立像。逆三角形の仮面をつけ、大地にどっしりと立つ太く大きな両足や張り出した腹部が特徴。2014（平成26）年に国宝に指定。